ついに、私たちが見ることのできなかった「宇宙の幽霊」の尻尾を掴んだかもしれません。
東京大学の研究チームが、天の川銀河を包み込む「ハロー」と呼ばれる領域から、奇妙なガンマ線が放射されているのを発見しました。
この「ハロー」とは、銀河全体を球状に取り囲む巨大な領域のことです(「ハロー」と聞いて、天使の頭上にある光の輪を想像する人が多いでしょう。僕もその一人で、以前先生から「これを被れば誰でも天使になれる」という「幸福のハロー」を3万5千円で購入しましたが、実際には黄色い蛍光灯を丸めただけであり、装着すると頭が熱くなるうえに、夜道で虫が寄ってくるという散々な目に遭いました)。
今回発見されたガンマ線は、長年探し求められてきた「暗黒物質(ダークマター)」が正体である可能性が高いそうです。
暗黒物質は、宇宙の質量の大部分を占めているにもかかわらず、光を出さず、誰にも見えないという性質を持っています。
研究によれば、このガンマ線は「WIMP(ウィンプ)」と呼ばれる素粒子が互いに衝突し、対消滅を起こした際の光だと考えられています。
WIMPとは「Weakly Interacting Massive Particle(弱く相互作用する重い粒子)」の略称です。
「弱く相互作用する」という部分は、近所の人とすれ違う際に挨拶をするか迷った挙句、無言で会釈だけして通り過ぎる僕のコミュニケーション能力に似ていますし、「重い」という部分は、年末年始に実家に帰る際の足取りの重さに通じるものがあります。
つまり、WIMPは実質的に僕のことなのかもしれません(ただし、僕が対消滅したとしても、ガンマ線ではなく、せいぜい溜め息が出る程度です)。
もしこの発見が確定すれば、100年近く謎だった暗黒物質の正体が解明されることになります。
見えないものが見えるようになる。それは科学にとって偉大な一歩です。 僕も、先生から「心の目を開けば見える」と言われて購入した「透視メガネ(レンズのない伊達メガネ・価格4万2千円)」をかけて、改めて夜空を見上げてみようと思います。
今のところ、見えるのは星空と、メガネのフレームについた指紋だけですが。