今朝、玄関を出ると水深3000メートルの深海でした。 おかしいと思いましたが、遅刻するわけにはいかないので、そのまま会社に向かいました。
(ちなみに深海では遅刻の概念が曖昧で、水圧の関係で時計の針が12時間遅れるため、実質的には誰も遅刻しません)
会社に着くと、今日の商談相手がダイオウイカだということが分かりました。
商談は意外にも順調に進みました。
我々が提案した「人類恐怖増大プロジェクト」にダイオウイカは強い関心を示し、特に「船舶20隻同時破壊プラン」については、過去の経験を活かせると前向きでした。
(ダイオウイカは会議中、触手でメモを取りながら「この案件、いけますね」と関西弁で話していました)
ただし、契約書にサインする際、10本の触手全てでペンを同時に握ろうとして、ペンが粉砕されました。
(利き手は左上から3番目ですが、重要な契約では全触手での署名が義務づけられているそうです)
結局、契約は成立しませんでした。
理由は「文字が墨で書かれているため」でした。
ダイオウイカにとって墨は体液の一種なので、墨で書かれた文字を読むのは生理的に無理だそうです。
(人間でいえば、唾液で書かれた履歴書を読むようなもので、しかもその唾液が自分の叔父のものである場合の気持ち悪さに近いとのことでした)
代替案として、マヨネーズで契約書を書き直すことを提案しましたが、「マヨネーズは金曜日の午後3時以降でないと読めない」という深海の掟があるため、断念しました。
帰りに、ダイオウイカから「今度一緒に人間を襲いませんか」と誘われましたが、就業規則違反になりそうなので丁重にお断りしました。
(ただし、年末の忘年会には参加したいとお伝えしたところ、とても喜んでいました)
※本日誌はフィクションです。実際にダイオウイカとの商談はありませんし、深海出勤もしておりません。
また、人類恐怖増大プロジェクトは弊社の事業内容ではございません。