嘘の証明
数学で間違ったことを正しく見えるように証明する嘘の証明が好きで、今回はそれを2つ紹介しようと思います。
a=bとします。この両辺にaを足すと
2a=a+bとなります。両辺から2bを引くと
2a-2b=a-bとなり、a-bでまとめると
2(a-b)=(a-b)となります。a-bで両辺を割ると
2=1
1=2が証明できてしまいました。
なぜこのように証明できてしまうのかというと…
この証明では、a=bと定義しているので、a-b=0となります。
0で数式を割っているので、1=2という嘘を証明できてしまいます。
他にも、このような証明があります。
昔ドラマで見た1シーンで、13秒ジャストのタイムは出るけど、12秒台がでない100m走選手の悩みを聞いた数学者が以下の証明をしました。
12.999…は紛れもない12秒台です。
a=12.999…と置きます。各辺を10倍すると、
10a=129.999…となります。下の式から上の式を引くと、
10a-a=129.999…-12.999…
↔9a=117
a=13となり、
12.999…=13が証明できます。
13秒ジャストは12秒台であることが証明できました。
さて、この証明は何が間違っているかというと…
特に何も間違っていないです。
直感的に間違っていると感じてしまいますが、それが間違っていて、間違っていることを説明するのが難しい数学の1つの問題となっています。
無限級数を使って説明することはできますが、少し説明が長くなってしまうので、興味がある人はぜひ調べてみてください。