しまった… これからデートなのに、UMAを見つけてしまった!スマホがあるから写真は撮れるけど、あの池のほとりまで行かなきゃならないのか… ダメだ、絶対に遅刻してしまう!せっかく高校の入学式から憧れてた奈々子ちゃんとデートの約束ができたのに… くそっ!知らなかった…自分がこんなにUMA好きだったなんて!出会ってみないとわからないものだな… 奈々子ちゃんとも運命の出会いだと思ったけど、こんな運命の出会いがあるとは…!よし、決めた UMAを撮影しに行く!奈々子ちゃんとはまた学校で会えるし、UMAの写真を見せれば許してくれるかも… んんっ?メール…奈々子ちゃんだ!なになに「ゴメンちょっと待ち合わせ遅れそう 実はね、池のほとりでUMAを見つけて…」やはり奈々子ちゃんこそ運命の人だ! …という話ではありません
私のアパートの郵便受けは、ガスメーターの上の壁面に取り付けられていて、
背伸びをしても中を見ることができません。
そのため私は毎日「郵便受けを開け、指先で中をさする」という行動をしています。
ハガキの類は薄っぺらいので、けっこうさすります。
もし誰かがいたずらで郵便受けの底部に「ハガキと錯覚しそうな段差」を作ったら、私は延々と郵便受けをさすっていることでしょう。
いやそれくらいならいいです(本当はよくありませんが)。
もし私の転覆を目論むエージェントがいるなら、郵便受けの底に樹液を塗っておけば、私は毎日徐々に自ら樹液に冒されながらも、得体のしれない樹液臭に悩まされ、生活に支障をきたすかもしれません。
しかしエージェントが樹液の分量を間違えてくれれば、かえって絶妙な樹液の香りを発して昆虫を呼び寄せる「カブトムシ遣い」になれるかもしれません。
そうすればエージェントと対峙するときの武器になることでしょう。ハハハ!ぬかったなエージェント!
しかしカブトムシ遣いになってしまうと普段はずっと手袋をしていなければならなさそうなので面倒くさそうです(カブトムシが寄ってきてしまうので)。
フライドチキンを手づかみで食べられなくなるのは私にとって大きな痛手です。
風呂で頭を洗うときも片手で洗わなければなりません。
インドでカレーを手づかみで食べることもできなくなります(カブトムシを払いのけながら食べることになってしまう)。
カブトムシ遣いになってしまうと平穏な日常には戻れないということでしょうか。
ひょっとしてこれを狙っていたのか、エージェントめ…!
幸いエージェントに転覆させられるような状況でもないので、今日も安心して郵便受けをさすることができます。