冬夜に起きた怖い話
学生時代の長い冬休みに、離島で住み込みのバイトをした時の話です。
私は島内にある豪華なホテルで昼はプールの監視員、夜は大浴場の受付として働きました。
普段大浴場は23時には閉場し、24時までには掃除を終わらせて帰るのですが、この日は大晦日で、特別に深夜1時まで開場していました。
掃除もいつもは老夫婦の方と私の3人で45分くらいで完了するのですが、老夫婦の方は労働時間の調整とかで1時までしか働けないらしく、それからの掃除は私1人でやることになりました。
さて、実はこの島は知る人ぞ知る幽霊島らしく、プールのバイトの先輩や住んでいる老夫婦の方などから「あの廃港は出る」だの「女湯はもっと出る」だのと脅かされていました。
深夜1人での掃除があまりにも怖かったので、大好きな萌えアニメのオープニングを歌いながら
掃除しました。
しばらく掃除したでしょうか、油断した頃に突然「バチン!」という音と共に電気が消えました。
私は心臓が止まりそうなくらい驚き、仕事をほっぽり出して逃げ出してしまいました。
翌朝、午前担当の別の老夫婦の方に、昨晩掃除を途中でほっぽり出してしまったことを
謝りに行きました。
この時初めて聞いたのですが、どうやら夜中2時を超えると自動消灯されるシステムだったそうです。
あの時は遂に出たかと思いました。