至福のひと時
右手に構えたナイフでスーッと切る瞬間、口の近くに運ぶ時の香ばしい匂い瞬間、口の中に放り込んだ時ほっぺたがとろけ落ちそうになる瞬間。
どの瞬間も耐え難い、五感を刺激する、まさに芸術品。
そうです、パンケーキです。
昨年立ち寄ったパンケーキ屋が閉店時間を迎えており、泣く泣く断念をした辛い過去がありました。
無念を晴らすべく、先日再度訪れました。私は席に着き、そのお店の王道のパンケーキを注文しました。
出てきたのは私の手の平より少し小さいパンケーキが3つ。
ナイフを持っていざ切り込みを入れてみると、まるで綿菓子のような柔らかさ。
こんなパンケーキがこの世に存在するのかと、よだれをグッと堪えながらパンケーキを口に運びました。
「至福」
この言葉が脳裏を駆け巡りました。
うわあおいしい、さいこうだあ。
そう思いながら子供の様に一心不乱に食べ続けました。
あの味を超える逸品は当分出会えない気がしましたが、私の更なるパンケーキ散策日和は続くのでした。