夏の終わりの怪談
Mu-t
/ 2015-09-18
雨が降る、ある日の帰り道、街灯の少ない道を歩いていた時のこと。
私は、家帰ったら何食べようか、などと呑気なことを考えながら傘を差し、歩いていた。
ふと目を道端の方に向けると、何かが置いてある。
良く見てみると、それはフリルドレスを纏った黒髪の西洋人形だった!
思わず飛びのき、速足でその場を立ち去りつつ、私は考えた。
何故あんな道端に人形が置いてあるのか、誰が、何の目的で?
答えは出なかった。
後日、人形が置いてあった場所には、枯れかけの雑草が生えているだけだった……。
本当にうまいこと枯れかけで、下半分は枯れてベージュ色のフリフリ、
上半分は日に焼けすぎて黒く変色していて、まるで人形のようだなぁ……。