シューズと僕
苺崎ショート
/ 2014-04-28
僕は靴を買うとき
「この靴で全力疾走できるだろうか?」
と考えてしまいます。もっと言えば、
「素早く履いたり脱いだりできるだろうか」
「靴底は滑り止めが十分で、道を塞ぐ重い岩石を押すときに滑ったりしないだろうか」
「いざというとき、この靴で敵の攻撃を防げるだろうか」
なども考えます。
これを書いているあいだも、靴に手を入れて真剣白刃取りをするシーンをイメージしていました。
そして思うのです。
「いや、僕は靴に依存しすぎだ。
本当に靴がなくなった時に僕は何もできないのではないか。
今こそ、靴離れ、靴からの卒業のときだ」
そうして僕は店を後にするのです。
でもそれが若気の至りだと悟り、また靴を買いに行くのです。