宇宙生存者バイアス
生命にとって地球が適している環境であるように、この宇宙も驚くほど生命に適した条件を備えています。
例えば、この宇宙には「重力」「弱い力」「電磁力」「強い力」という4つの基本的な力が存在します。それぞれの力の強さの比率はおおよそ1:100兆(10^15):100澗(10^38):1正(10^40)となっています。この力の強さがわずかに変わるだけで、星が形成されなくなる、水が存在しなくなる、あるいは全てが即座にブラックホールに変わってしまう可能性があるのです。
さらに、宇宙が3次元であることも非常に重要です。2次元の世界では複雑な生命体の構造が成立しません(例えば、口と肛門を同時に持つことができない)し、4次元以上の世界では、原子そのものが安定しなくなる可能性が高いです。
宇宙には無数の星が存在するため、その中で生命にとって「ちょうど良い」条件を持つ星が存在することはそれほど驚くべきことではありません。同様に、この宇宙が生命にとって都合が良いのも、他の宇宙が無数に存在すると仮定すれば、それほど驚くべき事実ではないかもしれません。
物理学では、なぜ4つの基本的な力の中で重力だけが圧倒的に弱いのか、まだ解明されていません。重力が発生するメカニズムに何か理由があるのかもしれませんが、「そのほうが生命にとって都合が良いから」という理由だけである可能性も考えられそうです。