ときめき
ときめき というのは時に、思わぬ方向から儚さを生み出します。
異性にされたら うれしい仕草に「待って」の一言と「袖を掴む」というのがあると思うんですけど
喫茶店から出ようとした時にそれを経験しました。(正確には声はかけられていませんが)
でも僕の事だから「何かしら間違いだろう」という選択肢が真っ先に浮かび上がりました。
反応せず立ち上がろうとしましたが、やはり引っ張られます。
引っ張っても微妙な距離感を保ちつつ、制御された力加減を感じます。
どう考えても、人の力で制御されたような具合でした。
そう、まるで誰かが僕の「袖を掴んだ」ような
期待を込めながら「なんですか?」って笑顔で振り向くと隣のお客さんと1m近く離れていたし声を掛けられてビックリしていた様子でした。
…よくみると服の袖にあるボタンがカバンに引っ掛かっていただけでした。
僕がときめいたのは、自分のカバン……だったんですね……。
今度このカバンと結婚しようと思います。