虫を想う
高は車Mk-II
/ 2013-07-12
私がクワガタムシが好きだったのは、今思えばその希少価値ゆえだったのだろう。
実家近くで捕れるのはカブトムシばかりで、クワガタムシはほとんどがコクワガタだった。
山の近くに住む友達が、学校にノコギリクワガタを持ってきて自慢げに見せていたのを羨ましく思ったものだ。
ミヤマクワガタが一番好きだったが、標本以外では今まで一度も見たことがない。
手に入らないから欲しくなることと、本当に好きなことが違うと知ったのは
もうずいぶん歳をとってからのことだった。
今でも昆虫は好きだが、昔ほどではないかもしれない。
少なくともクワガタムシのために朝早く起きたり、
飼育箱で飼育したくなる衝動はない。
朝は眠いし、飼育は面倒だ。
ちょっと寂しい。
でもひょっとしたら、
あのときクワガタムシを欲しがっていたからこそ、
いま小倉ドーナツが好きなのかもしれないと思うと
久しぶりに虫捕りにでも行ってみようかと思ったのだ。
(なんだこの話)